〈サピエンティア〉空間経済学

曽 道智著/高塚 創著
2016年8月19日 発売
定価 3,300円(税込)
ISBN:9784492314852 / サイズ:A5/並/280

●東洋経済新報社の新しい経済学テキストシリーズ〈サピエンティア〉
●気鋭の経済学者の書き下ろし、空間経済学の入門テキストの決定版!
●新貿易理論、新経済地理学から最新の理論モデルまで、コンパクトに解説
●各章末に演習問題付き(解答は東洋経済新報社サイトにて公開)

「伝統的な経済学では、ある地点における財の生産・消費に焦点が当てられ、空間は捨象されている。一方、空間経済学は複数の地点における需給均衡を同時に分析する。したがって、異なる地点間の距離によって生じる取引費用が、経済活動やその分布にどのような影響を与えるかが主な研究対象である。」
「海外直接投資、多国籍企業、タスク貿易といったグローバル化の時代に生まれた新しい生産形態を考える上でも、空間経済学の役割はますます重要になってきている。」
「本書は……新貿易理論と新経済地理学の基礎的内容の解説から始める一方、2000年代以降の新しい流れにも配慮している。特に、国の間を自由に移動できる資本の存在は、現代経済の大きな特徴の一つであり、それを明示的に取り込んだモデルの解説に注力した。またそれ以外にも、フロンティアの研究成果を可能な限り紹介しようと努めた。」(「はしがき」より)

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概要

新貿易理論、新経済地理学の基礎から、企業立地、租税競争、環境問題、貿易問題といった現実のトピックへの応用まで、平易に解説。

目次

第1章 序論
第2章 新貿易理論誕生の背景
第3章 ディクシットとスティグリッツの独占的競争モデル
第4章 1要素モデル:自国市場効果と厚生
第5章 2要素モデル:資本移動と企業立地
第6章 新経済地理学と均衡の安定性
第7章 核・周辺モデル
第8章 準線形モデル
第9章 労働費用がもたらす再分散
第10章 都市費用がもたらす再分散
第11章 多産業の空間経済
第12章 企業間連関と立地
第13章 空間経済モデルの応用
第14章 さらなる勉強のために

著者プロフィール

曽 道智  【著】
ぜん だおず

1966年中国江西省に生まれる。85年中国華中科技大学数学科卒業。96年京都大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。香川大学経済学部講師・助教授、同大学大学院地域マネジメント研究科教授を経て、2008年より東北大学大学院情報科学研究科教授。専攻は空間経済学、コンフリクト解消。
主著:“New Economic Geography with Heterogeneous Preferences: An Explanation of Segregation,” Journal of Urban Economics 63(1): 306-324, 2008. “An Amendment to Final-Offer Arbitration,” Mathematical Social Sciences 46(1): 9-19, 2003.

高塚 創  【著】
たかつか はじめ

1970年愛知県に生まれる。93年東京工業大学工学部社会工学科卒業。98年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了、博士(工学)。香川大学経済学部講師・助教授を経て、2011年より同大学大学院地域マネジメント研究科教授。専攻は空間経済学、都市・地域経済学。
主著:“Spatial Inequality, Globalization, and Footloose Capital,” Economic Theory 53(1): 213-238, 2013(共著).“Economic Geography of Firms and Skilled Labor,” Journal of Regional Science 51(4): 784-803, 2011.