アイドル国富論

聖子・明菜の時代からAKB・ももクロ時代までを解く

境 真良著
2014年10月3日 発売 在庫なし
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492396070 / サイズ:四六/並/256

☆一冊でアイドルの基本がわかる!
 メディアとの関係、アイドルを生み出す方法の変遷、芸能プロダクションというビジネスモデル。
 「見出すゲーム」「支えるゲーム」「育てるゲーム」というアイドル消費の根幹。
 古典的アイドルから現代アイドルまでを、それを支える仕組み・環境を含めて徹底的に論じる。

☆アイドルがわかれば日本経済がわかる!
 アイドルと日本経済に相関関係があることは、「アイドルの時代」を景気循環に重ねて見れば一目瞭然だ。
 アイドルブームは戦後経済成熟期と現代、つまり「行き詰った」時代に起こっている。
 では、行き詰った時代の人々がアイドルを求める理由とは? 日本経済の来し方行く末とは?

☆東浩紀氏推薦!
 「アイドルがいまなぜ支持されるのか、ようやくわかった。
  半世紀の歴史を踏まえ、文化論と産業論を統合する“現代アイドル論の決定版”」

AKBグループ、ももいろクローバーZ、モーニング娘。、そして、あまたのアイドルがしのぎを削るアイドル戦国時代。
いまこそアイドルを、その起源にさかのぼって考えよう!
本書では、エンターテインメント産業の研究者にして現職官僚である著者が、文化・産業、そして経済・社会、二つの視点から「アイドル」に迫る。


【本書で取り上げるアイドルたち】
映画スターの時代を経て70年代に生まれたアイドルたち。
南沙織から山口百恵、キャンディーズからピンクレディー、そこに満を持して現れ、80年代アイドルブームの中心に立った松田聖子。
また、河合奈保子、中森明菜、小泉今日子といった聖子のライバル達。
そして、時代を作ったグループアイドル、おニャン子クラブ。
90年代、冬の時代の後にやってきた現代アイドルの時代。
AKBグループ、ももいろクローバーZ、モーニング娘。を軸に、PerfumeやBABYMETALからローカルアイドルたちまで、もはや挙げればきりがない。

【主な目次】
《第一章 アイドルのメディア産業論》
 ・80年代アイドルの時代へ
 ・「アイドル」のビジネスモデル
《第二章 アイドルの消費論》
 ・劣ったものが消費選考されるパラドクス
 ・アイドルの消費メカニズム
《第三章 アイドルの進化論》
 ・「アイドル冬の時代」
 ・アイドルとアイドルビジネスの「再生」
 ・「アイドル戦国時代」
《第四章 アイドルの国家論》
 ・日本のグローバル市場主義受容物語
 ・現代アイドルの機能~ヘタレマッチョの誕生
 ・「中産階級主義国家・日本の理想」と「アイドル」
《第五章 アイドルの世界平和論》
 ・「マッチョの国」と「ヘタレの国」のグローバル市場
 ・グローバル市場、平和、そして文化

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概要

日本経済の動向とアイドルブームには驚きの関係があった。80年代アイドルから現代アイドルまで。見ればこの国の今と未来がわかる。

目次

はじめに アイドルからこの国を考えよう

【第一章 アイドルのメディア産業論】

1:80年代アイドルの時代へ
  アイドルの発生~南沙織と山口百恵/アイドルの王道・松田聖子とライバルたち
2:「アイドル」のビジネスモデル
  アイドルの作り方の発見/芸能プロダクションというビジネスの確立
3:80年代アイドルの時代の終わり
  おニャン子クラブの挑戦と成功/アイドルを飛び出すアイドル達~KYON2、薬師丸、聖子

【第二章 アイドルの消費論】

1:劣ったものが消費選好されるパラドクス~かわいい論
  美人顔とかわいい顔/ロック、ヤンキーとアイドルスタイル
2:アイドルの消費メカニズム
  「仲間」ゲームの鍵~「見出すゲーム」「支えるゲーム」「育てるゲーム」
3:「アイドル」時代とそのメカニズムの終焉
  「アイドル」時代の終わり、日本幼年期の終わり

【第三章 アイドルの進化論】

1:「アイドル冬の時代」
  地下アイドルとドルオタの誕生/ジャニーズアーティストの発展
2:アイドルとアイドルビジネスの「再生」
  モーニング娘。からAKB48へ/コラム【EXILEの経営モデル】
3:「アイドル戦国時代」~AKB48とももいろクローバーZと当代モーニング娘。
  AKB48の「推しメン」戦略~握手会とAKB総選挙/ももいろクローバーZのキャラ設計~その強さと弱さ/コラム【ご当地アイドル】

【第四章 アイドルの国家論】

1:日本のグローバル市場主義受容物語~アイドル小氷期を巡って
  小泉改革という祭り
2:現代アイドルの機能~ヘタレマッチョの誕生
  ヘタレマッチョの出現/闘うアイドル、励ますアイドル、究めるアイドル
3:「中産階級主義国家・日本の理想」と「アイドル」
  アベノミクスの核心/イデオロギーとしての製造業振興

【第五章 アイドルの世界平和論】

1:「マッチョの国」と「ヘタレの国」のグローバル市場
  韓流ガールズグループの垂直構造と日本アイドルの水平構造
2:グローバル市場、平和、そして文化
  グローバル大衆文化の可能性~「韓流」と「クールジャパン」を超えて
3:グローバル・アイドル主義
  マッチョなエリートとヘタレな中産階級を融和するアイコン

著者プロフィール

境 真良  【著】
さかい まさよし

1968年東京都生まれ。学生時代よりゲームデザイナー、ライターとして活動し、1993年に東京大学を卒業、通商産業省に入省。経済産業省メディアコンテンツ課の起ち上げに課長補佐として参画。その後、東京国際映画祭事務局長、早稲田大学大学院客員准教授、(株)ドワンゴ等を経て、現職。専門分野はIT、コンテンツ、アイドル等に関する産業と制度。TwitterID:@sakaima。著書に『テレビ進化論』(講談社、2008年)、『Kindleショック』(ソフトバンククリエイティブ、2010年)ほか。モノノフ。