JA解体

1000万組合員の命運

飯田 康道著
2015年9月25日 発売 在庫なし
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492396216 / サイズ:四六/並/224

共同通信社の農水省担当記者による、2014~2015年農協改革の徹底解明!
これ一冊で、日本農業の抱える問題が基本からわかる。

安倍政権に狙い打たれたJA全中……
●2015年農協改革とは何か?
●メガバンク級の金融機能はどうなる?
●日本の農業は成長産業に変われるのか?

もはや変わるしかない日本農業の現実、
農業のビジネス化・グローバル経済下での生き残りの道に迫る!

「高齢化の進行とともに農業人口は減少し、耕作を放棄される農地も増えている。
交渉が大詰めを迎える環太平洋連携協定(TPP)をはじめ、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)によって、海外からの安くて良質な農畜産物の輸入は今後さらに進むだろう。
国内農家を脅かすこうした状況に、JA全中解体後のJAグループはどのように立ち向かうのか。その舵取りいかんによって、日本農業の進む道は明るくもなるし暗くもなる。」
――「はじめに」より

【目次】
第1章:なぜJAは狙われたのか
第2章:政府vs.JA
第3章:JA全中解体へ
第4章:JAはどう変わるのか
第5章:生き残るために、地域農協は何をすべきか

商品を購入する

概要

2015年JA全中解体とはなんだったのか。あまりに多くの問題を抱える日本の農業はこれからどうなるのか。わかりやすく解説する。

目次

第1章 なぜJAは狙われたのか
(1)JAとは何なのか
農業者のための協同組合/農業関連事業と金融事業/地方型農協と都市型農協/JAグループの構造/株式会社と農協の違い
(2)日本農業を取り巻く環境
衰退する日本農業/迫り来るTPP/農家に対して過保護な日本
(3)JAはなぜ批判されてきたのか
農業事業の不振/金融事業への依存と疑問視される運用能力/准組合員問題/農協の人材不足/「平等」への不満
(4)〝古びた〟JA全中
グループの司令塔が担うもの/「何もしていない」という批判/特別な農協監査/〝政治団体〟としてのJA全中

第2章 政府vs.JA
(1)〝JA全中解体〟前夜
急進的な提言への反発/取りまとめは「妥協のアート」/60年ぶりの抜本改革へ
(2)政府の本気、JAの反発
JAグループ内にも亀裂/自民党、選挙で煮え湯を飲まされる

第3章 JA全中解体へ
(1)分断されるJAグループ
JA全中と都道府県中央会の間にミシン目/火花を散らす農相、首相、全中会長
(2)自民党プロジェクトチーム会合
議論は監査問題に集中/両陣営とも必死のムード作り/農家へのヒアリングも代理戦争の様相
(3)終幕
情け容赦なく切り捨てられた要求/全中会長、突然の辞意表明

第4章 JAはどう変わるのか
(1)2015年の改正農協法
利益を追求する職能組合に/理事は過半をプロに/JA全農の株式会社転換が可能に/公認会計士監査を義務付け/中央会は〝削除〟/准組合員規制は先送り
(2)JAの進む道
白熱したJA全中会長選挙/農業所得増大と生産拡大を目指す
(3)農協改革は続く
くすぶる准組合員の利用規制/株式会社化を迫られるJA全農・農林中金

第5章 生き残るために、地域農協は何をすべきか
(1)地域農協のトップランナー――JAみっかび
エリア全体を一つのミカン工場と考える/農家の所得を増やすには、大都市からカネを集めてくるしかない
(2)大規模農業生産法人とどう向き合うか?――JA信州諏訪
大規模農業生産法人トップリバーと提携/トップリバー進出が地域農業の活性化に貢献
(3)日本農業最大の課題、コメをどうするか
ブランドを作って大胆にPR:JA梨北/海外にコメを売る:JA秋田おばこ/コシヒカリばかりでは生き残れない

著者プロフィール

飯田 康道  【著】
いいだ やすみち

1980年茨城県古河市生まれ。
京都大学理学部卒。
2004年共同通信社入社。徳島支局、名古屋・大阪両支社経済部を経て、現在、東京本社編集局経済部。