大泥棒

清永 賢二著
2011年6月10日 発売
定価 2,640円(税込)
ISBN:9784492044261 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:448

元警察庁長官・國松孝次氏推薦!

「もうこんな本は 2冊と出ない」




闇夜を駆け、密かに忍び込み、大金をせしめて逃げる。「賊」とは、日本がまだ江戸と呼ばれた次代の暗闇を蝙蝠のごとく飛翔した大泥棒であり、いまはもう小説やテレビの中でしか存在しえない滅亡した人物たちだと思われてきた。自らを「賊」と呼び、「泥棒」「こそ泥」とは一線を画し、孤高の自尊心と賊として生涯を終える固い信念を抱き、江戸時代から伝承された技を磨き続けた賊が昭和から平成の時代にも実在していた。



自らを「賊」と呼び、ベテランの警察関係者からは「最後の賊ではないか」といわれ、「首相官邸でもやっただろう」とされる実在した伝説の大泥棒が、1988年から1993年の6年間の獄中で書き遺し、自ら「賊」とサインした6冊の「獄中日記」があった。



日記を譲り受けた犯罪学の権威がもう1人の大泥棒とともに読み解いた、「犯罪行動生態学」の研究にして「日本の裏の文化史」。誰も真摯に書き留めようとはしなかった、裏の世界に生きた者たちから表の世界に住む私たちへのメッセージ集。

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概要

闇夜を駆け、忍び込み、大金をせしめて逃げる。「首相官邸でもやっただろう」(捜査一課)伝説の大泥棒が獄中で遺した日記を、現存する別の大泥棒と犯罪学の権威で読み解く。國松元警察庁長官推薦! 

目次


第1章 「獄中日記」を読み解くにあたり
第2章 忍びの弥三郎の仮相と実相
第3章 犯罪発生の一般原理
第4章 探る
第5章 獲る
第6章 退散する
第7章 日記を読み終えて――読み手独白――

 

著者プロフィール

清永賢二
きよなが けんじ

1943年生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。
警察庁科学警察研究所防犯少年部環境研究室長および初代犯罪予防研究室長を経て、現在、日本女子大学客員教授。その間に、日本女子大学教授、警察大学校、国税大学校、最高裁判所調査官研修所等で講師、法務省アジア極東犯罪防止研修所(初・上級クラス)研修員、東京大学客員教授、早稲田大学大学院法学専攻講師、ロンドン大学客員研究員、文部科学省資質の高い教員養成(GP)研究代表、科学技術振興機構(JST)研究代表等を歴任。

著書に、『防犯先生の子ども安全マニュアル』(東洋経済新報社)、『漂流する少年たち』(恒星社厚生閣)、『都市と犯罪』(共著、東洋経済新報社)、『大地震に遭った子どもたち』(共著、日本放送出版協会)、『逸脱行動論』(共著、放送大学教育振興会)、『防犯環境設計の基礎』(監修執筆、彰国社)など多数。