富の王国 ロスチャイルド

池内 紀著
2008年11月21日 発売
定価 1,980円(税込)
ISBN:9784492061510 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:248


ヨーロッパの片隅、フランクフルトのゲットーに始まって500年。

世界を制したロスチャイルド閥の手の内と素顔が明らかに!



 世界金融、経済、文化、芸術に絶大な影響力を持ちながら、その素顔はほとんど知られていない「ロスチャイルド家」の面々。だからこそ憶測や噂話にもとづいたユダヤ陰謀史観に彩られ、根拠なき金満家一族のレッテルで語られることが多いのだが……。



 それにしても一族の名が神話になるとは、どういうことだろうか?「ロスチャイルド」の一語がワイン瓶のレッテルについているだけで、ワインの味と価値がガラリと変わる。同族経営、同属結婚は遅かれ早かれ破綻をきたし、手痛いシッペ返しをくらうものだが、ロスチャイルドは20世紀になっても古いスタイルを守りつづけた。
7代目を迎えた現在にあって、ロスチャイルドは世界に君臨している。しかも、ひそかに、めだたず、ひっそりと根を張って……。



 本当のお金持ちとは、なんと愉快な面々なのか。本書は、構想から足掛け十余年をかけ、池内紀がその一族の素顔に迫ったものであり、ドイツはじめ現地取材を重ねてきた成果のひとつである。世界の歴史を動かし歴史に翻弄されてきたロスチャイルド家は、なぜ500年もの間、絶えることのない繁栄を続けてきたのか。
従来のイメージと異なり、富の稼ぎ方ではなく、社会資本や文化芸術への影の大スポンサーとしての貢献やネットワークによる“富の使い方”こそが、一族を繁栄させ王国を築いてきた秘訣だということが徐々に明らかにされていく。



 
(※本書は2006年5月~2008年8月まで、計55回にわたって「東洋経済オンライン」で連載したものをベースに加筆・再構成したものである)



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概要

世界経済と文化芸術に絶大な影響力を持ち、歴史を動かし歴史に翻弄されてきたロスチャイルド家。500年もの間、途絶えることのない富と繁栄を支えてきた秘密を新説、池内節で綴る。

目次

第I章  ロスチャイルドと現代
第II章  富の始まり
第III章  富の拡充
第IV章  富の使い方
第V章  富の行方
第VI章  「ロスチャイルド」という課題
 

著者プロフィール

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池内 紀
いけうち おさむ

1966~1996年、神戸大、都立大、東京大でドイツ語、ドイツ文学の教師。その後は文筆業。 主な著書に、『モーツァルトの息子』(知恵の森文庫・光文社)、『ゲーテさん こんばんは』(集英社、桑原武夫学芸賞)、『海山のあいだ』(角川文庫、講談社エッセイ賞)、『諷刺の文学』(白水社、亀井勝一郎賞)、『ぼくのドイツ文学講義』(岩波新書)、『異国を楽しむ』(中公新書)など。

主な訳書は、ゲーテ『ファウスト』(集英社、毎日出版文化賞)、『カフカ小説全集』(全六巻、白水社、日本翻訳文化賞)など。 最新刊『池内式文学館』(白水社)、『尾崎放哉句集』(岩波文庫)、『川を旅する』(ちくまプリマー新書)が好評発売中。 NHK FM第1 日曜日放送「日曜の喫茶室」準レギュラー出演