決定版 親鸞

武田 鏡村著
2011年1月7日 発売
定価 3,080円(税込)
ISBN:9784492061831 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:464


【著者からのコメント】


 

 親鸞は、法然の教えに導かれながらも、聖徳太子信仰・善光寺信仰を信じる念仏者たちとの生活を通し、念仏者たちと「川の民」「山の民」が救われる信仰を説きました。それが阿弥陀如来の本願による念仏信仰であり、悪人こそが往生できるとする「悪人正因(しょういん)」です。



 親鸞の「悪人正因」は、自分は彼らとは別な存在として説かれたのではありません。親鸞自らも「悪人」であるという自覚に立って、悪人こそ阿弥陀如来の本願がそそがれていると各地を積極的に布教し、晩年になっても指導しつづけたのです。



「親鸞聖人七百五十回大遠忌(御遠忌)」を迎えるにあたって、親鸞の言行や史料分析、現地取材を通して、長い歴史の中で築き上げられてきた貴人化として虚飾されている親鸞像を批判し、否定しながら書き上げたものです。



 親鸞の教えを現代に取り戻すためにも、「生きた親鸞」に迫ることが必要です。それは一切の差別からの解放を親鸞が説いていたからであり、その教えは現代にも通じているからです。



 その意味でも本書が多くの人に読まれて、親鸞の教えの真実を知っていただきたいと切に願うものです。


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概要

親鸞研究の第一人者が、親鸞の足跡の全てを調査し、信憑性のある史料だけをもとにして分析。従来の親鸞像からフィクション的な要素を取り除き、語られることのなかった実像に迫る。750回忌記念出版。

目次


第一部 若き親鸞の実像
 第一章 出自と出家時代
 第二章 六角堂参籠から「本願に帰す」
 第三章 空也から見る念仏聖の系譜
 第四章 法然と門弟たち
 第五章 法然と親鸞の関係
 第六章 権力側から射られる「承元の法難」
 第七章 親鸞が流罪となった真因
第二部 流罪と布教時代の親鸞
 第一章 越後の親鸞の流罪生活
 第二章 恵信尼と親鸞の越後
 第三章 善光寺信仰と親鸞
 第四章 親鸞と関東の門弟たち
 第五章 親鸞の常陸奥郡への布教活動
 第六章 親鸞の「悪人」解放の信仰

 

著者プロフィール

武田鏡村
たけだ きょうそん

日本歴史宗教研究所所長,歴史家、作家.浄土真宗の僧籍も持つ.1947年新潟県生まれ.1969年新潟大学卒業.

主な著書に『日本名僧名言集』(講談社),『禅のことば』(PHP研究所),『良寛 悟りの道』(国書刊行会),『入門 よくわかる親鸞』(日本実業出版社),『親鸞 差別解放の思想と足跡』『関東の親鸞』(共に三一書房),『越後の親鸞』(恒文社),『親鸞100話』(立風書房),『たのしみは日常のなかにあり』『清々しい日本人』(共に東洋経済新報社)などがある.