琉球検事

七尾 和晃著
2012年8月31日 発売
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492223260 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:216

作家・東京都副知事 猪瀬直樹氏推薦

1970年 燃えるコザ!

秘められた沖縄戦後史 ここに解き放たれる。




戦後の米軍統治下で沖縄の法治を支えたのは「琉球検察」であり「琉球検事」たちだった。日本と米国、沖縄とアメリカ、大和と琉球という、幾重にもからまった桎梏のなかで、司法の独立を守る使命を負わされた琉球検事は、戦後日本が抱えざるを得なかった矛盾の一断面をかたどる存在である。彼らは沖縄住民と米国民政府(沖縄の駐留政府)との間に立ち、1970年のコザ暴動でピークを迎える対立の歴史のまっただ中で苦闘の日々を送る。



だが沖縄が望んだ日本への返還が果たされたとき、彼らは日本政府によってその資格を剥奪された。そして彼らの功績も名誉も苦悩もすべては歴史の彼方に忘れ去られたのである。



闇市、炭鉱など置き去りにされた昭和史を浮き彫りにしてきた七尾氏が、100歳を迎えようとする琉球検事の生き残りたちに現地滞在してロングインタビューを敢行。これまでほとんど表に出ることのなかった封印された沖縄の歴史に光を当てる。



猪瀬直樹氏推薦のノンフィクション作品。「沖縄社会の底流には本土とは異なる歴史と記憶が刻まれている。その事実を改めてつきつけられた」。

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概要

米統治下の沖縄に存在した独自の司法組織「琉球検察」。シマの歴史を背負い、米国と日本の間で苦闘し、本土返還とともに封印された琉球検事の生き様が、証言によって現代に甦る。

目次


第1章  支配下の「独立」
第2章  燃えるコザ
第3章  最後の検事長
第4章  見えない首謀者
第5章  巨影 瀬長亀次郎
第6章  事件の真相と深層
第7章  本土復帰と琉球検察の終焉

著者プロフィール

七尾和晃
ななお・かずあき

著述業。1974年生まれ。石川県金沢市出身。
忘れられてゆく近代史の現場に赴き、「訊くのではなく聞こえる瞬間を待つ」姿勢で数多くの踏査ノンフィクションを発表。

著書に『堤義明 闇の帝国』光文社、『銀座の怪人』講談社、『総理の乳母』創言社、『闇市の帝王』草思社、『炭鉱太郎がきた道』草思社、『沖縄戦と民間人収容所』原書房、『原発官僚』草思社、『「幻の街道」をゆく』当会教育研究所などがある。