気候変動クライシス

ゲルノット・ワグナー著/マーティン・ワイツマン著/山形 浩生訳
2016年8月26日 発売
定価 2,640円(税込)
ISBN:9784492223741 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:352

環境分野では、ノーベル経済学賞に最も近い経済学者による、新しいスタイルの地球温暖化問題の教科書。



もしこれから100年で気温が6℃上昇する確率が10%あるなら、あなたはどんな行動をとるか?

温暖化問題に確率的にアプローチし、人類がとるべき行動を考える。




自動車の詳細な構造はわからなくても、自動車を運転したり、自動車事故に備えることはできる。

温暖化の詳細なメカニズムはわからなくても、その確率を考えて、温暖化に備えることはできる。



温暖化に関しては、私たちにわかっていることよりも、わかっていないことのほうが

はるかに多い。わかっていることは、温暖化問題は危険だと告げているし、わかっていない

ことは、温暖化問題はすごく危険だと伝えている。



温暖化問題は専門的だし、自分には直接あまり関係がないし、対策のとりようもない……

と考えている、ふつうの人のための、いままでとはちょっと違う温暖化対策の入門書。




フィナンシャル・タイムズ紙2015年ベスト経済書の一冊に選出!



世界の識者が推薦!




ナシーム・ニコラス・タレブ(『ブラック・スワン』著者)

 ――「リスク」に対する非常に洗練されたアプローチ。驚くべき本だ。



イアン・ブレマー(『「Gゼロ後」の世界』著者)

 ――気候変動のリスクに関心があるすべての人におすすめの一冊。



マーティン・ウルフ(フィナンシャル・タイムズ経済論説主幹)

 ――ガツンとくる本。




ウィリアム・ノードハウス(米国経済学界の権威、『気候カジノ』著者)

 ――経済の複雑さとグローバルな環境問題合意の難しさを踏まえて書かれた本。

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概要

史上最悪のリスクにあなたならどう備える? 生き残るために必要なのは? 人類の未来を占う大問題に、一流の学者が答えを出す。

目次

はじめに:クイズ
第1章 緊急事態
第2章 基本のおさらい
第3章 ファットテール
第4章 故意の無知――それについて考察する経済学者2人の見解
第5章 地球を救い出す
第6章 007
第7章 あなたにできること
第8章 エピローグ:ちがう形の楽観論

謝辞
訳者あとがき

参考文献
索引

著者プロフィール

ゲルノット・ワグナー  【著】
げるのっと わぐなー

ハーバード大学工学・応用科学リサーチ・アソシエイト、同大学環境科学・公共政策レクチャラー。ハーバード大学環境センターフェロー。1980年生まれ。2008年から2016年まで、米国の著名な非営利団体で、市場ベースの問題解決策を重視する環境防衛基金(EDF)のエコノミストを務める(2014年からは筆頭上級エコノミスト)。スタンフォード大学で経済学の修士号を、ハーバード大学でPEG(Political Economy and Government)の修士号と博士号を取得。

マーティン・ワイツマン  【著】
まーてぃん わいつまん

ハーバード大学経済学教授。1942年生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)、イェール大学を経て現職。環境分野ではノーベル経済学賞に最も近い候補の一人であり、強い影響力を持つ経済学者。米国芸術科学アカデミーフェロー、エコノメトリック・ソサエティフェロー(終身特別会員)。スタンフォード大学で統計学・オペレーションズリサーチの修士号を、MITで経済学の博士号を取得。

山形 浩生  【訳】
やまがた ひろお

翻訳家。1964年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程、マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務する一方で、科学、文化、経済、コンピュータなどの幅広い分野で翻訳・執筆活動を行っている。著書・翻訳書多数。訳書に『21世紀の不平等』(2015年)、『それでも金融はすばらしい』(2013年)、『アイデンティティ経済学』(2011年)、『アニマルスピリット』(2009年、以上、東洋経済新報社)のほか、『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)、『自己が心にやってくる』(早川書房、2013年)、『自由と尊厳を超えて』(春風社、2013年)など。