「日本型」戦略の変化

経営戦略と人事戦略の補完性から探る

須田 敏子編著/内海 里香著/澤田 直宏著/宮副 謙司著/山内 麻理著
2015年3月20日 発売 在庫なし
定価 4,400円(税込)
ISBN:9784492261118 / サイズ:A5/上/298

日本経済・企業に定着した「日本型」戦略は環境変化によってどのように変化しているのか
  経営戦略と人事戦略の相互影響関係
  外部環境と個別企業の相互影響関係
  国際経営比較論・制度組織論・経営戦略論
  多国籍企業のグローバル人事戦略
の研究フレームワークから、電機・製薬・金融・流通の4産業について、”産業状況”と”戦略変化(経営戦略・人事戦略)”の進行しつつある変化を分析する。

グローバル化の進展、急速な技術革新、産業構造の変化など日本企業を取り巻く環境は激しく変化しており、企業には変革が求められている。
だが、環境変化に応じて企業が機敏に対応して、変化していくことは難しい。
長年、慣れ親しんだ産業内の独特な慣行や組織内ルーティンを変化させることは、至難の業なのである。
同時に変化は一様には発生せず、まだら模様に発生するのが通常である。
変化のメカニズムは多様であり、複雑である。
本研究の目的は、現在進行しつつある日本型経営の変化分析にある。言葉を換えれば日本企業で発生している戦略イノベーションの複雑で多様なメカニズムを分析するものである。

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概要

日本的経営の変質は、なぜ産業間・企業間で差異があるのか? 経営戦略と人事戦略の相互関係から、実証的・理論的に分析した研究書。

目次

序 章  「日本型」戦略の変化――研究のフレームワーク
第1章 経営戦略論――環境変化に対する企業の適応プロセスの考察
第2章 制度組織論――組織フィールドにおける複雑な変化のメカニズムに迫る
第3章 国際経営比較論――各国の競争優位・劣位を制度補完性から解明
第4章 日本型戦略の特色と変化
第5章 電機産業――本格的に動き始めた「日本型」からの変化
第6章 製薬産業――進む商品・労働市場と人事戦略の変化
第7章 金融産業――多様性の進展とグローバル化への遠い道のり
第8章 流通産業――業態特性と市場環境変化への適応

著者プロフィール

須田 敏子  【編著】
すだ としこ

青山学院大学経営学部卒業。リーズ大学修士課程(MA取得)、バース大学博士課程修了(Ph.D.取得)。
日本能率協会マネジメントセンター等で月刊誌「人材教育」編集長などを歴任。
主要研究業績に、『日本型賃金制度の行方:日英の比較で探る職務・人・市場』、『HRMマスターコース:人事スペシャリスト養成講座』、『戦略人事論:競争優位の人材マネジメント』、 “Converging or Still Diverging? A Comparison of Pay Systems in the UK and Japan”, International Journal of Human Resource Management誌掲載 (すべて単著)、「特定組織フィールドにおける人事制度の変化・同形化:制度理論からの分析」(『経営教育研究』、2013年)、『戦略とは何か?:本質を捉える4つのアプローチ』(共訳)などがある。

内海 里香  【著】
うつみ りか

南山大学文学部卒業。一橋大学大学院修士課程修了(商学修士号取得)。西武百貨店、コンサルティングファームを経て、1997年に設立した「オフィスaoyR’s」にて消費財メーカー・小売企業を対象にしたマーケティング・コンサルティングを展開。2006年~2009年、光陵女子短期大学講師。2010年、文化女子大学(現文化学園大学)講師を経て、2011年より現職。
主要研究業績に、『全国百貨店の店舗戦略2011』(共著、同友館、2011年)、「事業戦略拡大へのベンチマーキング」(『ストアーズレポート』誌掲載)などがある。

澤田 直宏  【著】
さわだ なおひろ

慶應義塾大学商学部卒業。同大学院経営管理研究科修了、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(商学、一橋大学)取得。全国信用金庫連合会(現 信金中央金庫)、A.T.カーニー等に勤務。
主要研究業績に、「経営資源・ケイパビリティ理論とSCP理論の動学的補完性に関する考察」(共著、『組織科学』、2006年)、 “Firms Open Innovation Policy, Laboratory’s External Collaborations, and Laboratory’s R&D Performance”(共著、R&D Management、2010年)「新たな派生市場セグメントに対する既存ビジネスシステムの適応困難性:競争優位劣化・逆転の要因に関する一考察」(共著、『組織科学』、2010年)、「競合企業との相互作用に基づくビジネスシステムの形成および同プロセスが生み出す市場ニーズとのミスマッチ」(単著、『組織科学』、2014年)などがある。

宮副 謙司  【著】
みやぞえ けんし

九州大学法学部卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了(MBA取得)、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。西武百貨店、プライスウォーターハウスクーパース、アビームコンサルティング、東京大学大学院特任研究員などを経て、2009年より現職。


山内 麻理  【著】
やまうち まり

上智大学外国語学部卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)比較産業関係学修士。博士(商学、慶應義塾大学)。モルガンスタンレー証券、JPモルガン証券、UBS証券(ウェルスマネジメント部門、商品開発責任者、マネージング・ディレクター)。慶應義塾大学産業研究所研究員(2009年~)。カリフォルニア大学バークレー校東アジア研究所客員研究員(2012年~2013年)などを経て2014年より現職。
主要研究業績に、『雇用システムの多様化と国際的収斂:グローバル化への変容プロセス』(慶應義塾大学出版会、2013年、第36回労働関係図書優秀賞受賞、2014年、日本労務学会学術賞受賞)、「金融機関における雇用制度の多様性」(『日本労務学会誌』、2010年)、『外資が変える日本的経営』(G.オルコット著、共訳、日本経済新聞出版社、2010年)などがある。