ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学

ベッカー,ゲーリー.S.著/ポズナー,リチャード.A.著/鞍谷 雅敏訳/遠藤 幸彦訳/稲田 誠士訳
2011年1月21日 発売 在庫なし
定価 2,420円(税込)
ISBN:9784492314081 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:232


2人の巨匠が斬りまくる痛快な一冊




 本書は、ノーベル経済学賞受賞者のベッカー教授と100年に1人の逸材とも称される法学者ポズナー判事による人気ブログの翻訳です。

●「男女の産み分けは好ましい?」

●「臓器市場を作るべき?」

●「脂肪税で肥満は減らせる?」

などの社会問題に加え、グローバルな政治経済問題や金融危機などの問題を2人の巨匠が斬りまくる痛快な一冊となっています。



 また、2人が日本語版への序文で、日本経済改革へのメッセージを書いているのも特徴です。まず、平時にかなりの人口が減少している国として日本は現代における最初の国であり、長寿と低出生率が難題を生み出していることを指摘の上、健康な高齢者は70歳まで働いてもらい、年金も70歳以上からの支給とすべきであるとしています。さらに、最低賃金の引き上げや労働者の解雇を困難にするような施策も日本のためにならないとしています。他方、経済成長力を強める攻めの政策も提案します。
 混乱する経済状況において情緒的な議論や犯人捜しの論調に傾きがちな中、経済学的アプローチできちんと分析することが大変役立つことを実感させる書です。

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概要

鋭い観察眼と切れ味の良い経済学的アプローチで、男女の産み分けから欧州の長期経済停滞まで幅広い話題を斬りまくる。人気の「ベッカーとポズナーのブログ」の翻訳第2弾。

目次

第I部 社会問題を考える
  1 男女の産み分け
  2 臓器売買
  3 大学ランキング
  4 脂肪税
  5 米国式の官民人事交流:回転ドアの経済学
  6 水資源の効率的な保全
第II部 グローバルな政治経済問題を考える
  7 中国におけるグーグル
  8 プーチンの人口計画
  9 治安の民営化
 10 国の文化の経済学
 11 世界における不平等
 12 対外援助
 13 地球温暖化と割引率
第III部 金融危機に学ぶ
 14 サブプライム住宅ローン危機
 15 金融危機の意味
 16 なぜ警告が無視されたか
 17 ビッグスリーを救済すべきか
 18 オバマ大統領の金融改革プラン
 19 米国は日本のようになるか
 20 ギリシャの経済危機とユーロ
 21 欧州の長期経済停滞


 

著者プロフィール

ゲーリー・S・ベッカー
Gary S. Becker

1930年生まれ。シカゴ大学で経済学博士号を取得したのち、コロンビア大学で10年あまり教えた。その間、ジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞している。1970年からシカゴ大学に移り、現在は経済学部、ビジネススクール、社会学部の教授である。1992年にノーベル経済学賞を受賞し、2000年にはクリントン大統領からThe National Medal of Scienceを授与された。また1985年か ら2004年まで『ビジネス・ウイーク』誌に人気の高い定評あるコラムを執筆した。

リチャード・A・ポズナー
Richard A. Posner

1939年生まれ。ハーバード・ロースクールを卒業後、スタンフォード・ロースクール准教授などを経たのち、1969年にシカゴ大学ロースクールの教授に就任した。1981年に米国連邦第7巡回区控訴裁判所の裁判官となり、1993年から2000年まで同裁判所の主席判事を務めた。現在は、同裁判所の判事であるとともに、シカゴ大学ロースクールで教えている。多数の著作があり、流麗な文体と鋭い論陣で政策論議に強い影響を与えている。

【訳 者】

鞍谷雅敏
くらたに まさとし

1965年東京大学経済学部卒,コロンビア大学経済学Ph.D. 大蔵省(現財務省)・野村総合研究所・慶應義塾大学勤務を経て,現在,東洋学園大学現代経営学部・同大学院教授,慶應義塾大学商学研究科特別招聘教授.

遠藤幸彦
えんどう ゆきひこ

1980年東京大学教養学科卒,ワシントン大学経営学修士.野村総合研究所勤務.現在,公益財団法人野村マネジメント・スクールに出向中,主席研究員.

稲田誠士
いなだ せいじ

2000年早稲田大学政治経済学部卒,ルーバン大学(ベルギー)行政管理学修士.みずほ証券勤務を経て外務省入省.現在,欧州連合日本政府代表部.