経済学レシピ

食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた

ハジュン・チャン著/黒輪 篤嗣訳
2023年11月22日 発売
定価 2,420円(税込)
ISBN:9784492315545 / サイズ:四六/並/296

牛肉、ライ麦、チョコレート、にんにく、えび……18の食べ物を巡る知の冒険
ロンドン大学人気教授が書いたまったく新しい入門書

コカ・コーラで「新自由主義政策」、鶏肉で「不平等」、いちごで「オートメーション」……
知っておきたい経済学の知識が身につく!

【推薦の言葉】
「名著だ。チャンは20年にわたり、ネオリベラリズムに代わるものを提供しようと精魂を傾けてきた。今、彼は研究人生の絶頂期を迎えている」――ダン・デイビース(英『ガーディアン』紙)

「チャンは複雑なことをわかりやすく説明するのが、ほんとうにうまい。料理でも、経済学でも、チャンの手にかかると、すこぶるおもしろい話になる」――ビー・ウィルソン(英『サンデー・タイムズ』紙)

「経済学の本を読んで、こんなに笑ったり、よだれが垂れそうになったり、反省させられたりしたのは初めてだ。楽しくて、深くて、食欲をそそる本だ」――ブライアン・イーノ

「素朴なネオリベラル料理だけで政策立案者たちは生きていけるという通念への見事な反駁の書。まさにご馳走のような一冊だ。世界各国の料理にまつわる機知に富んだ話とともに、経済の代案がずらりと並ぶ。ハジュン・チャンは本書によってあらためて、世界でも指折りのエキサイティングな経済学者であることを証明した」――オーウェン・ジョーンズ

試し読み

商品を購入する

概要

料理好きな気鋭の経済学者が、食べ物を題材に複雑な経済学の話をおいしく味わってもらえるよう書いた「教養としての経済学」。

目次

[主要目次]

序章 にんにく 経済学をおいしく味わう「食のあれこれ」

第1部 先入観を克服する
第1章 どんぐり 文化は経済発展に影響するか
第2章 オクラ 資本主義と自由の関係
第3章 ココナッツ 貧しさと生産性にまつわる根本的誤解

第2部 生産性を高める
第4章 片口鰯 高い技術力こそ最強の武器である
第5章 えび 幼稚産業保護政策を使いこなせ
第6章 麺 起業は個人的な挑戦か
第7章 にんじん 「諸刃の剣」特許制度をどうすべきか

第3部 世界で成功する
第8章 牛肉 「自由貿易」の不都合な真実
第9章 バナナ 「バナナ共和国」が意味する暗い現実
第10章 コカ・コーラ さらば「新自由主義政策」

第4部 ともに生きる
第11章 ライ麦 社会保障制度が発展し続ける理由
第12章 鶏肉 結果の平等・機会の平等・能力の平等
第13章 唐辛子 保育・介護・看護の過小評価の問題

第5部 未来について考える
第14章 ライム 気候変動の効果的な解決策
第15章 スパイス 「株式会社」の長所と副作用
第16章 いちご 機械は人間の仕事を奪うのか
第17章 チョコレート スイスは世界一の「工業国」という事実

結論

著者プロフィール

ハジュン・チャン  【著】
はじゅん・ちゃん

ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)で経済学を教えている。世界を代表する経済学者のひとり。著書に、『ケンブリッジ式 経済学ユーザーズガイド』(東洋経済新報社)、No.1ベストセラーとなった『世界経済を破綻させる23の嘘』(徳間書店)、『悪しきサマリア人(Bad Samaritans)』(未邦訳)などがある。

黒輪 篤嗣  【訳】
くろわ あつし

翻訳家。上智大学文学部哲学科卒業。ノンフィクションの翻訳を幅広く手がける。主な訳書に『新しい世界の資源地図』『ワイズカンパニー』(以上、東洋経済新報社)、『問いこそが答えだ!』(光文社)、『哲学の技法』『ドーナツ経済』(以上、河出書房新社)、『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』(新潮社)、『レゴはなぜ世界で愛され続けているのか』(日本経済新聞出版社)などがある。