経済危機のルーツ

野口 悠紀雄著
2010年4月9日 発売
定価 1,980円(税込)
ISBN:9784492395325 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:384

編集者コメント




経済学者・野口悠紀雄氏の日本経済論。1970年代以降の世界の構造変化を振り返ることで、今日の日本経済停滞の原因を明らかにしていく。



この40年の変化のうち特に大きいのは、冷戦の終結、1990年代に起きたIT革命と金融革命、中国の工業化だといえよう。それらを経て、世界経済は資本や人的資源がグローバルに移動する時代を迎えた。



その中で日本は、IT革命・金融革命という変化に抵抗し、モノづくりにこだわり続けてきた。日本は製造業が生み出したモノの輸出はしているが、カネとヒトのグローバルな移動という観点からすると、未だに鎖国状態にある。40年間に起きた世界の構造変化に対応できていないのだ。



「2007年からの金融・経済危機は企業と産業の、そして国家の、壮大な選別過程だった。アメリカは危機を通り抜けて強くなったように見える。日本がこれから探求すべきは、脱工業化社会への道筋だ」と著者は強調している。

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概要

日本経済停滞の原因は、1970年代以降の世界の構造変化にあった! ダイナミックな視点と明快な文章で現代世界経済史を振り返り、そこから日本経済の「今」を理解する。

目次


序 章 なぜ歴史を振り返るのか
第1章 現代世界経済の枠組みが1970年代に作られた
第2章 経済思想と経済体制が1980年代に大転換した
第3章 ITと金融が1990年代に世界を変えた
第4章 1990年代はアメリカとイギリスの大繁栄時代
第5章 未曾有のバブルとその崩壊:2000年代
終 章 日本が停滞を打破するためになすべきこと
 
 

著者プロフィール

野口悠紀雄
のぐち ゆきお

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。

主要著書 『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『土地の経済学』(日本経済新聞社、1989年、東京海上各務財団優秀図書賞、日本不動産学会賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『野口悠紀雄の 「超」経済脳で考える』(東洋経済新報社、2007年)、『戦後日本経済史』(新潮社、2008年)、『金融危機の本質は何か』(東洋経済新報社、2009年)、『未曾有の経済危機 克服の処方箋』(ダイヤモンド社、2009年)

 ホームページ http://www.noguchi.co.jp/