正統派リーダーの教科書

江口 克彦著
2018年2月23日 発売
定価 1,430円(税込)
ISBN:9784492503003 / サイズ:四六/並/264

数字やスキルを高めても本物のリーダーにはなれない。松下幸之助の最強参謀が、「正統派リーダー」になるための考え方や心構えについて説く。人を活かし結果を出す実践的経営論。

必要なのはテクニックではなく人間力。リーダーの心構えについて学べる好著
――推薦・山田俊浩(東洋経済オンライン編集長)

「経営は、数字の分析や、理論などではない」─―。これは松下幸之助さんから学んだことです。経営とは「理3、情7」が基本の基本です。理屈で経営が成功する、数字の分析で会社が発展するということならば、学者、評論家が経営者になればいいのです。
実際、松下さんが「松下電器が成功した9つの要因」を挙げています。9つの要因とは、①自分が凡人であったこと、②人材に恵まれたこと、③方針を明確に提示したこと、④理想を掲げたこと、⑤時代に合った事業であったこと、⑥派閥をつくらなかったこと、⑦ガラス張りの経営をしたこと、⑧全員経営をしたこと、⑨公の仕事であると訴えたことです。成功の9つの要因のなかに、数字や理論に関する事項はありません。経営分析もなければ、有名な経営理論から活用したようなものもありません。
会社とは「人間の集合体」。経営とは、集まった人間の「相乗行動」によって1つの目的に向かって進み、その目標を達成することなのです。経営は、したがって、いかに「人間の集合体」を治めるか、活かすか、やる気を出させるかに要諦があるのです。実際のところ、松下さんが語った9つの成功要因を、ひと言で表せば、「私が経営において成功したのは、社員を励まし、社員に誇りを持たせ、社員に感謝し、社員に感動を与えたからです」ということでしょう。(本書「一流の経営者は「経営理論」を振りかざさない」より要約抜粋)

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概要

経営の神様・松下幸之助の最強参謀が明かす成功法則。東洋経済オンラインで反響の大きかった連載を待望の書籍化。

目次

第1部 経営編
・役職者を「さん付け」する会社は発展しない
・ 「毎年採用」を漫然と行う会社は崩壊する
・ 「情報が集まる社長」がやっている2つのこと
・ 一流の経営者は「経営理論」を振りかざさない
・ 「大風呂敷」を広げる若者ほど大きく伸びる
・新社長が前社長を否定する会社は衰退する
・一流の経営者はつねに「即断即行」する
・「社員が無能」と公言する社長は経営者失格
・人口減時代の経営戦略を真剣に考えるべき
・「相談役」「顧問」の居座りは社員全員の迷惑
・稲盛和夫氏を奮起させた「松下幸之助の言葉

第2部 リーダー編
・ リーダーに必要な究極の能力は「愛嬌」
・一流の社長は「泣いている社員」を放置しない
・超一流の社長は、「3種類の部下」を持っている
・一流の経営者は「丁寧な人事」を心掛けている
・優れた社長には自分よりも優れた部下がいる
・社長の役割とは「社員を感動させること」
・「上司」たる者、「部下」より偉いわけではない
・会社を良くするのもダメにするのも「社長」
・上司は、「部下への伝え方」を間違うと最悪になる
・リーダーに求められる究極の資質は「度胸」である
・「人間は偉大」と考えれば不祥事など起きない  など

著者プロフィール

江口・克彦  【著】
えぐち かつひこ

(株)江口オフィス代表取締役社長。1940年2月1日名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。政治学士、経済学博士。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長などを歴任。著書に『凡々たる非凡―松下幸之助とは何か』(エイチアンドアイ)、『松下幸之助はなぜ成功したのか』『ひとことの力―松下幸之助の言葉』『部下論』『上司力20』(以上、東洋経済新報社)、『地域主権型道州制の総合研究』(中央大学出版部)、『こうすれば日本は良くなる』(自由国民社)など多数。