流れを経営する

野中 郁次郎著/遠山 亮子著/平田 透著
2010年6月25日 発売
定価 3,520円(税込)
ISBN:9784492521823 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:480


【内容紹介】


 

世界的に知られる『知識創造企業』の著者による書き下ろしの経営論。「万物流転」のプロセスの中に企業の未来創造活動の本質があることを捉えた,知識社会のための「実践知」哲学を提唱する。



従来の経営学における理論の主流は,企業の優位性を物的な経営資源(モノ)に求める傾向があったが,その偏重により,経営の主体である人間の主観や「どう生きるか」という価値観を軽視する傾向があり,リーマンショックをはじめとする今日の混迷の原因になっている。



本書では,企業や人間のダイナミズムを把握するために,静止したモノそのものではなく,「変化する状態(プロセス)」を「コト」として,現実の世界を捉えることを提案する。



本書の前半部では,新しい経営理論を提唱し,後半部では,優れた日本企業の事例を紹介しながら,その優位性は「コト」発想のプロセス型の優れたマネジメントにあると説く。



主に採り上げる企業:トヨタ自動車,セブン-イレブン・ジャパン,エーザイ,公文教育研究会,パナソニック,良品計画,ファーストリテイリング,YKK,キヤノンなど。


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概要

世界的に知られる『知識創造企業』の著者による書き下ろしの経営論。「変化する状態」(プロセス)をキーワードに、これからの日本企業のあり方について説く。

目次


第1部 理論編
第1章 知識について
第2章 知識創造の理論
第3章 プロセスモデルの構成要素
第4章 知識ベース企業のリーダーシップ
第5章 知識創造理論の物語的展開
第2部 企業事例編
第6章 理念・ビジョン
第7章 場と組織
第8章 対話と実践による事業展開
第9章 リーダーシップ
終 章 マネジメントの卓越性を求めて

 

著者プロフィール

野中郁次郎
のなか・いくじろう

早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造勤務の後,カリフォルニア大学(バークレー校)経営大学院にてPh.D.取得。南山大学経営学部,防衛大学校,北陸先端科学技術大学院大学各教授を経て,現在,一橋大学名誉教授,クレアモント大学ドラッカースクール名誉スカラー,カリフォルニア大学(バークレー校)経営大学院ゼロックス知識学特別名誉教授。

知識創造理論を世界に広めたナレッジ・マネジメントの権威で,海外での講演多数。2008年の『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙では,「世界で最も影響力のあるビジネス思想家トップ20」に選ばれる。

著書に,『組織と市場』(千倉書房),『失敗の本質』(共著,ダイヤモンド社),『知識創造の方法論』(共著,東洋経済新報社),『知識創造の経営』(日本経済新聞社),『戦略の本質』『日米企業の経営比較』(共著,ともに日本経済新聞社),『美徳の経営』(共著,NTT出版),The Knowledge-Creating Company(共著,邦題『知識創造企業』),Enabling Knowledge Creation(共著,邦題『ナレッジ・イネーブリング』)(ともにOxford University Press,日本語版は東洋経済新報社)などがある

遠山亮子
とおやま・りょうこ

一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。ミシガン大学経営大学院にてPh.D取得。北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科准教授などを経て,2008年より中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネスクール)教授。

著書に,『知識経営実践論』(共著,白桃書房),『MOT知識創造経営とイノベーション』(共著,丸善),Strategic Discovery(共著,John Wiley & Sons),Managing Industrial Knowledge: Creation, Transfer, and Utilization(共著,Sage Publications)などがある。

平田 透
ひらた・とおる

北海道大学工学部・経済学部卒業。民間シンクタンク勤務の後,新潟国際情報大学情報文化学部助教授などを経て,2006年より金沢大学人間社会学域経済学経営学系教授。北陸先端科学技術大学院大学にて博士号(知識科学)取得。

著書に,『知識経営実践論』(共著,白桃書房),『イノベーションとベンチャー企業』(共著,八千代出版),『価値創造システムとしての企業』(共著,学文社),『MOT知識創造経営とイノベーション』(共著,丸善)などがある。