論点思考

内田 和成著
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492556559 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:240

――正しい論点で、問題解決力が劇的に向上する!

ロングセラー『仮説思考』の著者が明かす

コンサルタントの暗黙知を解説。



ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。

この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。

コンサルタントの世界では、与えられた問題の分析ができ、その問題が解決できるというだけでは、コンサルタントとして半人前。一流のコンサルタントは論点が何かを見つけだす能力に優れているのだ。そして、パートナークラスのコンサルタントであれば、他の調査・分析作業は部下に任せることがあっても、論点の設定だけは自らが徹底的に行なう。

本書はこれまでコンサルタントの頭の中にしまい込まれていて名人芸と思われていたものを、読者のわかる形に分解し、やさしく説明している。日ごろの業務の中で「上司に言われた問題に取り組んでいるが、これでいいのか」「本当の問題は別にあるのでは」と疑問を持ちながらしている人、加えて、部下に問題・課題を与える立場にある管理職の人も必読の一冊。

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概要

企業・職場には問題が山積みされている。全ての問題を解決していくわけにはいかない。真の問題を見つけ、それに集中するための技術を解説。ロングセラー『仮説思考』の姉妹版。

目次

第1章 あなたは正しい問いを解いているか
    すべては問題設定に始まる
    /問題解決プロセスにおける論点の役割
第2章 論点候補を拾いだす--戦略思考の出発点
    論点思考の論点/論点と現象を見極める
    /論点は動く
第3章 当たり・筋の善し悪しで絞り込む
    当たりをつける/「筋の善し悪し」を見極める
第4章 全体像を確認し、論点を確定する
    プロービング(探針)を行なう
    /依頼主の真意を探る
    /引き出しを参照する/論点を構造化する
第5章 ケースで論点思考の流れをつかむ
    ケース「原料費が上がっている。コストの問題
        を解決してほしい」と上司から指示された
第6章 論点思考力を高めるために 
    問題意識をもって仕事をする/
    視点を変える /複数の論点を考える/
    引き出しを増やす/論点思考の効用/論点と仮説の関係

著者プロフィール

内田和成
うちだ・かずなり

早稲田大学ビジネスクール教授。
東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空株式会社を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心に、マーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略などの策定・実行支援プロジェクトを数多く経験。

2006年には「世界で最も有力なコンサルタントのトップ25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出された。2006年より早稲田大学大学院商学研究科教授。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行なう。

著書に『デコンストラクション経営革命』(日本能率協会マネジメントセンター)、『eエコノミーの企業戦略』(PHP研究所)、『顧客ロイヤルティの時代』(共著、同文舘出版)、『仮説思考』(東洋経済新報社)、『スパークする思考』(角川oneテーマ21)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)などがある。

著者ブログ「内田和成のビジネスマインド」