それでも金融はすばらしい

人類最強の発明で世界の難問を解く。

ロバート・J・シラー著/山形 浩生訳/守岡 桜訳
2013年12月20日 発売
定価 3,080円(税込)
ISBN:9784492654583 / サイズ:四六/上/528

金融にもいろいろ問題はあることは間違いない。

でも私たちがこれほど豊かな生活を送ることができているのは、
金融という仕組みのおかげだ。

経済危機が起きたからといって、金融が成し遂げてきた成果を
忘れてはいけない。

金融の民主化――より多くの人が金融という仕組みを
利用できるようにすること――を適切に進めることで、私たちは
もっと良い社会を構築することができる。

その際に、大きな役割を果たすことが期待されるのが、金融関係者だ。

金融で良い社会を作るかどうかは、かれらの働きにかかっている。

本書では、かれらが果たすべき責任と役割を示し、世の中に充満している
金融への不安に対する対処を述べる。

ノーベル賞経済学者が金融のすばらしさを高らかに謳った、関係者の必読書。

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概要

2013年にノーベル賞を受賞した著者の最新刊。金融資本主義に関わる全ての人に金融を通じてよい社会を作ることの大切さを示す。

目次

序 章 金融、財産管理、そしてわれわれの目標

第1部 役割と責任

第1章 最高経営責任者(CEO)
第2章 投資マネージャー
第3章 銀行
第4章 投資銀行
第5章 住宅ローン業者と証券化業者
第6章 トレーダーとマーケットメーカー
第7章 保険業者
第8章 マーケットデザイナーと金融エンジニア
第9章 デリバティブ業
第10章 弁護士とファイナンシャルアドバイザー
第11章 ロビイスト
第12章 規制当局
第13章 会計士と会計監査
第14章 教育者
第15章 公共財ファイナンス
第16章 経済安定化の責任を負う政策立案者たち
第17章 信託業と非営利団体
第18章 慈善家

第2部 金融への不安

第19章 ファイナンス、数学、美
第20章 ビジネスマンと理想主義者はちがう人種か
第21章 リスクを取ろうとする衝動
第22章 因習性と馴染み深さへの衝動
第23章 負債とレバレッジ
第24章 金融に内在するいかがわしさへの不幸なインセンティブ
第25章 金融投機の意義
第26章 投機バブルと社会へのコスト
第27章 格差と不公正
第28章 慈善の問題
第29章 金融民主化の成果――資本所有の分散
第30章 大いなる幻影、今昔

終章 金融、権力、人間的価値観

著者プロフィール

ロバート・J・シラー  【著】
ろばーと J しらー

イェール大学経済学部教授。1972年にMITで経済学のPh.D.を取得。「資産価格の実証分析」を評価され、2013年にノーベル経済学賞を受賞。2000年に刊行された『投機バブル 根拠なき熱狂』は、アメリカのITバブル崩壊を予言した書としてベストセラーとなった。同じくノーベル経済学賞を受賞(2001年)したジョージ・A・アカロフとの共著『アニマルスピリット』も、サブプライムローンに端を発する金融危機を理解する書物としてベストセラーとなった。

山形 浩生  【訳】
やまがた ひろお

1964年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程、マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務する一方で、科学、文化、経済、コンピュータなどの幅広い分野で翻訳・執筆活動を行っている。著書・翻訳書多数。訳書に『コンピュータって』(2013年)、『アイデンティティ経済学』(2011年)、『アニマルスピリット』(2009年、以上、東洋経済新報社)のほか、最近の訳書に『自己が心にやってくる』(早川書房、2013年)、『自由と尊厳を超えて』(春風社、2013年)など。

守岡 桜  【訳】
もりおか さくら

翻訳家。訳書に、『オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング』(翔泳社、2013年)、『邪悪な植物』『邪悪な虫』(ともに朝日出版社、2012年)。このほか『トロツキー(上・下)』(白水社、2013年)、『アイデンティティ経済学』(東洋経済新報社、2011年)など、共訳多数。