不動産政策研究 各論Ⅰ 不動産取引法務

不動産政策研究会編/松尾 弘編/小林 正典編
2018年7月13日 発売
定価 3,520円(税込)
ISBN:9784492961421 / サイズ:A5/並/280

 不動産取引法務の視点から不動産政策課題への対応を整理する。
 不動産にどのような法律問題があるのか。また、今後、法制度改正を伴う対応が必要とされるものは何か。また、2020年に施行される改正民法に伴う法的課題についての解説と検討。「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行を受けての、空き家行政を担当する市区町村のさまざまな対応と展望。あるいは、老朽化したマンションが終末期に直面する問題と方策。
 賃貸住宅におけるサブリース事業に関して実態を整理・分析し、賃貸住宅におけるサブリースに関する法的課題を考察。
 外国の不動産事業者が国内の宅地建物取引に関与する場合の、宅地建物取引業法の開業規制との関係や、外国人との間で宅地建物取引を行う際の課題や業務規制の適用範囲についての考察、取引後に紛争が生じた場合の訴訟手続の概要、など。

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概要

今後、法制度改正を伴う対応が必要とされるものは何か。法務の視点から政策課題への対応を整理する。

目次

第1部 はじめに
1-1 不動産取引法務をめぐる政策課題
慶應義塾大学大学院法務研究科教授 松尾 弘

第2部 不動産取引法務の主要課題
2-2 紛争予防の観点から見た不動産取引とその対策
弁護士 宇仁 美咲
2-3 民法改正に伴う不動産取引における法的課題
弁護士・法政大学教授 高須 順一
2-4 企業不動産法の政策課題
弁護士 小澤 英明
2-5 不動産取引における心理瑕疵の説明義務
弁護士 渡辺 晋

第3部 不動産取引における現代的な政策課題
3-6 空き家賃貸借住宅の活用促進と原状回復時のトラブル防止
弁護士 犬塚 浩
3-7 空家法制定後における市町村の条例対応とその特徴
上智大学教授 北村 喜宣
3-8 収益還元価値を利用した新しい住宅金融の可能性
青山学院大学大学院法学研究科教授・金融技術研究所長 一般社団法人移住・住みかえ支援機構代表理事 大垣 尚司
3-9 マンション終末期問題への対応策─放棄ルールと解体費用事前徴収の仕組み
株式会社富士通総研経済研究所主席研究員 米山 秀隆
3-10 賃貸住宅におけるサブリース事業の実態と法的課題
麗澤大学経済学部教授 太田 秀也
3-11 東日本大震災と熊本地震における不動産市場の課題─仮設住宅から恒久住宅への移転の課題を中心として
東北大学大学院法学研究科・災害科学国際研究所教授 島田 明夫
3-12 国際的な不動産取引における課題─宅地建物取引業法の適用関係を中心に
弁護士 高川 佳子

第4部 不動産市場の現代型課題に応じた専門家の役割
4-13 不動産取引の紛争・処分事例・判例の変遷・傾向から見る近年の課題
一般財団法人不動産適正取引推進機構研究理事兼調査研究部長 小林 正典
4-14 宅地建物取引士に求められる土地・建物の調査実務
不動産鑑定士 吉野 荘平
4-15 境界をめぐるトラブルと売主・媒介業者としての留意点
司法書士法人・土地家屋調査士法人遠山事務所代表・土地家屋調査士 遠山 昭雄
4-16 不動産登記の実務における政策課題
司法書士 山内 鉄夫
4-17 所有者不明土地問題と土地制度─人口減少時代の法的課題
公益財団法人東京財団政策研究所研究員 吉原 祥子

著者プロフィール

不動産政策研究会  【編】
ふどうさんせいさくけんきゅうかい

不動産政策研究会は、一般財団法人 不動産適正取引推進機構に設置し、①不動産取引法務研究会、②不動産経済分析研究会、③不動産再生研究会、④海外不動産取引研究会の4分野に分けて、不動産取引の安全・安心に関する法的課題、不動産市場の経済的諸問題、不動産再生上の諸問題、国際的な不動産市場の課題等の研究を行っている。
不動産政策の各分野(法律学・経済学・都市計画・建築・行政学・金融政策等)の有識者・専門家を招いて、学際的な視点から、不動産市場で発生している現象・課題、今後の不動産政策のあり方等について議論・研究を進めている。
不動産取引・不動産市場に関わる産業界関係者、学界・研究者、官界・政策立案担当者、消費者・関連団体、弁護士等専門家らとの間のネットワークを構築し、今後の政策研究の充実を通じて、不動産取引の安全・安心が確保され、不動産市場の発展に貢献することを目指している。

松尾・弘  【編】
まつお ひろし

小林・正典  【編】
こばやし まさのり