一橋ビジネスレビュー

学界とビジネスの現場をつなぐ本格的経営誌。

2009年夏号 57巻1号
2009年6月11日 発売
定価 2,200円(税込)
ISBN:9784492820391

特集:ソーシャル・イノベーション

ソーシャル・イノベーションとは、世の中に散在する社会的課題を認識し、その解決を目的としたビジネス(ソーシャル・ビジネス)の創出を通じて社会変革に資するイノベーション活動である。「ソーシャル・イノベーション」や「社会事業家」という言葉は広く流布しているが、われわれはそれらを包括的に理解しているとはいいがたい。そこで本特集では、日本のみならず、世界を舞台に社会事業を行う実践家、それを支援する実務家や研究者からの論考を募り、ソーシャル・イノベーションを理解するフレームワーク、現実の問題、その解決の方策などを探っていく。

目次

特集
ソーシャル・イノベーション

P.4 特集にあたって
林 大樹(一橋大学大学院社会学研究科教授)
軽部 大(一橋大学イノベーション研究センター准教授)

特集論文―1

P.6 グラミン銀行の軌跡と奇跡:新しい資本主義の形
ムハマド・ユヌス(グラミン銀行 総裁)

特集論文―2

P.14 ソーシャル・イノベーションとは何か
渡辺 孝(芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授)

特集論文―3

P.26 ソーシャル・ビジネスとソーシャル・イノベーション
谷本寛治(一橋大学大学院商学研究科教授)

特集論文―4

P.42 明治の企業家・渋沢栄一に見る社会認識と事業創出
島田昌和(文京学院大学経営学部教授)

実践報告

P.54 地域コミュニティとソーシャル・ビジネスの未来

【事例1】

P.55 学生のまちづくり活動によるソーシャル・イノベーション
林 大樹(一橋大学大学院社会学研究科教授)
辻 朋子(経営コンサルタント)

【事例2】

P.60 地域の自立に向けた中間支援のあり方
後藤健市(有限責任事業組合場所文化機構 代表)

【事例3】

P.65 真の社会事業家を日本で本気で育てるために
川北秀人(IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)

経営を読み解くキーワード

P.70 社会起業家
川田英樹(一橋大学大学院国際企業戦略研究科講師)

技術経営のリーダーたち

P.72 第3回 本物にこだわりつつ世界一売れるスポーツカーを創ってきた先導者
貴島孝雄(マツダ株式会社 プログラム開発推進本部 主査代行)

ビジネス・ケース

P.82 [No.072] ビットワレット
電子マネー市場の創造と事業戦略の構築
青島矢一(一橋大学イノベーション研究センター准教授)
鈴木 修(関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科准教授)
長内 厚(神戸大学経済経営研究所准教授)

ビジネス・ケース

P.106 [No.073]大修館書店
『ジーニアス英和辞典』の成功と書籍電子化のうねりのなかで
安藤史江(南山大学大学院ビジネス研究科准教授)
浦田健吾(南山大学大学院ビジネス研究科(MBA)修了)

[連載]経営学のイノベーション 
ストーリーとしての競争戦略

P.122 第5回 戦略ストーリーの「キラーパス」
楠木 建(一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授)

マネジメント・フォーラム

P.142 貧困にあえいでいる途上国の子どもたちに、教育という贈り物を届けて未来への希望を提供します
[ゲスト]ジョン・ウッド(ルーム・トゥ・リード 会長)
[インタビュアー]米倉誠一郎(一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

投稿論文

P.152 企業の社会的責任(CSR)に対する基本方針とコーポレート・ガバナンスの関係
テキストマイニングを利用して
記虎優子(同志社女子大学現代社会学部社会システム学科准教授)
奥田真也(大阪学院大学流通科学部准教授)

コラム 遺稿・21世紀への歴史的教訓 第9回

P.164 情報技術産業における日欧企業の明暗
アルフレッド・D・チャンドラーJr.

P.103 ビジネス・ケース オンデマンド販売・バックナンバーのご案内

P.167 一橋ビジネスレビュー・フォーラムのご案内

P.170 次号予告・読者アンケート