ブックタイトル四季報らくらく活用

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概要

四季報らくらく活用

もし、皆さんがその1社1社に目を通し、仮に1社を1分で読み終えたとしても,読み終わるまでにかかる時間は約3600分。時間に直すと60時間、1日10時間読み通しても6日かかることになる。では、それほど大量の収録企業の中から、これだという銘柄をどうやって探せばよいのだろうか。ある会社員はお宝銘柄を探すために年4回の『四季報』発売日には有給休暇を取ることにしている、という話を聞いたことがある。また、ある別の投資家は少しでも時間を節約するために、『四季報』を後ろから読む裏技を見いだしたそうだ。『四季報』で最初に出てくるのは証券コード1301の極洋、次が1332の日本水産と、業種としては成熟産業の水産・農林業から始まる。一方、後ろの9900番台にはユニクロのファーストリテイリング(9983)やソフトバンクグループ(9984)など、まだまだ成長が期待される比較的若い企業がそろっている。この投資家はそこに目をつけたというわけだ。実はそこまでしなくても、お宝銘柄を探す簡単な方法がある。ここではそれを皆さんに直伝しよう。見出しを見れば日本経済が見えてくるまず注目してもらいたいのは【見出し】だ。3㌻図の虫メガネの中に見える【独自再増額】の文字がそれ。この欄には、担当記者がなぜ自分はこう予想したのか、会社側予想より強め、あるいは弱めに予想した場合は、その理由はこれこれだといったことが書かれている。時間がなければ【見出し】の拾い読みだけでも有望銘柄群はある程度絞れるはずだ。【見出し】をパラパラと見るだけでも、その年その年の企業動向が見えてくるから不思議。『四季報』2016年1集(新春号)で最も多かった見出しは【最高益】で237社(前号は181社)に使われていた。以下、【独自増額】【続伸】と続く。一方、6位に【一転減益】、8位に【下振れ】など、ここ数年見掛けかなかった【見出し】が上位に入っているのも新春号の特徴。今後の企業業績の変化を注意深くウォッチする必要がありそうだ。なお、この【見出し】のランキングは『四季報』2016年1集(新春号)の2ページに掲載されており、毎号巻頭に掲載している。ここでいう最高益とは純利益ベースの話だが、11位の【連続最高益】も足すと今期業績(3月期決算会社の場合は16年3月期)に過去最高益を更新しそうな会社が303社あることがわかる。上場企業は全部で約3600社だから、12社に1社の割合だ。アベノミクスで経済がよくなったという実感が湧かないといわれる昨今だが、企業業績で見れば、それなりに順調といえそうだ。【見出し】に【最高益】とついた業績が伸びている会社は、上場企業の中のお宝銘柄群といってもいいかもしれない。サプライズ銘柄を矢印とニコちゃんマークで見える化次に注目してほしいのは欄外にある「矢4