ブックタイトル四季報らくらく活用

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概要

四季報らくらく活用

の理由を株主に説明しなければならない。ROEは8%が最低ライン「スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス」を生み出すきっかけとなった経済産業省による「持続的成長への競争力とインセンティブ?企業と投資家の望ましい関係構築?」(伊藤レポート)では、「8%を上回るROEを最低ラインとし、より高い水準を目指すべき」としている。ROEを物差しにして投資先を探す際には、「高ROE銘柄」と「ROE改善期待銘柄」の両面作戦が有効になるだろう。前者は効率よく利益を得ていることを素直に評価する方法。後者は十分な利益を稼ぎながらもROEは低いという会社を探し出し、ROE改善に向けた「何らかの施策」に先回りする方法だ。ROEの数値を改善するには、分子である利益をさらに稼ぐか、分母の自己資本を減らすしかない。自己資本を減らすにはM&Aに資金を向ける方法もあるが、そうでなければ自己株買いか増配、つまり株主還元以外に道はない。ROEが低く、業績順調でキャッシュリッチな会社を狙えば、株主還元が期待できるという論法だ。『会社四季報』では、ROEは【指標等】欄に、前期ROEと今期予想ROEが掲載されている。ROEの水準と今期予想ROEの変化の度合いをまずチェックしよう。次に【比較会社】欄にある銘柄や同業他社のROEと比較して、当該銘柄は高いか低いかをチェックし、高ROE銘柄かROE改善期待銘柄なのかを判断するとよいだろう。【業績】欄で最近の業績動向を併せて確認しておきたい。キャッシュリッチかどうかは【キャッシュフロー】欄の現金同等物を見ればいい。自己資本や時価総額と比較して、キャッシュを持ちすぎていないかを判断しよう。自己資本の70%以上、時価総額の半分以上がある程度の目安となるだろう。3ROEで銘柄を選ぶ際のつのツボ?ROE(自己資本利益率)はいまや経営者にとって意識せざるをえない指標?高ROEは効率よく利益を得ていることを示す?利益水準が高いのに低ROEの会社はROE改善のための施策が期待できる。55