ブックタイトル四季報らくらく活用

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概要

四季報らくらく活用

無配・復配は経営者からのメッセージ「無配は株主への裏切り行為だ」。無配に転落した企業の経営者は、株主総会で厳しい責めに遭う。会社が1年間に稼いだ利益は、最終的には株主への配当、役員への賞与、内部留保などに充てられる。会社にとって配当は株主に対する重大な責務だ。極論すれば、無配転落は経営者の“敗北宣言”といってもいい。一方で、無配だった会社が配当を再開する「復配」は復活宣言といえる。株式市場もプラスに反応する。とはいえ、復配すればいいというものではない。資産売却益などで苦しまぎれに復配しても、本業が不振のままでは1?2年でまた無配となり、かえって信用を失う。つまり、復配は会社にとって極めて重大な決断であり、経営者の業績に対する自信の証しといえよう。試しに、『四季報』2016年春号のデータを使って3月期決算会社で来2017年3月期に復配予想となっている銘柄を調べてみた。結果は日本コークス工業(3315)、ラサ工業(4022)、ダイトーケミックス(4366)、プラザクリエイト(7502)、関西電力(9503)の5社が該当した。関西電力は3月9日に、高浜原発が運転差し止めの仮処分を受け、業績への影響懸念が出てきた。これらの会社は5月の16年3月期の本決算発表時に17年3月期復配が発表されれば株価が反応する可能性があるが、足元の状況もチェックしておきたい。株主還元の強化は好感される配当には毎年行う普通配当金(普通配)、「創立100年を記念して」「東証1部上場を記念して」など、会社が何かのイベントを記念して配当を上乗せする記念配当(記念配)、業績好調や土地売却の特別利益などを理由に通常の配当金に加えて特別な配当花王は26年連続増配を続けている(撮影:今井康一)58