ブックタイトル四季報らくらく活用
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四季報らくらく活用
変が現れることがあるので覚えておこう。営業利益の連続赤字も危険な兆候だ。為替や商品市況など事業環境の激変に見舞われると、どんな会社でも赤字決算に陥ることはある。大事なのは一過性かどうか。毎年のように赤字決算が続いている会社は事業そのものに大きな問題や欠陥がある証拠。『四季報』に掲載している過去の決算実績もチェックし、慢性的な赤字決算会社は投資対象から外したほうが賢明だ。ジャスダック市場などマザーズを除く新興市場では4年連続で営業CFと営業利益が赤字の場合、1年以内にどちらかがプラスにならないと上場廃止になる規則もある。「重要事象」「疑義注記」は危険な兆候純利益の赤字が長期化し、赤字が累積するようになると、過去の利益の蓄積である「利益剰余金」を食い潰してしまう。当然、配当余力も乏しくなる。利益剰余金の赤字(『四季報』では▲表示)は累積赤字が利益剰余金を上回る、すなわち、過去の利益の蓄積が完全になくなってしまった状態だ。さらに『四季報』で「継続(企業の)前提に疑義注記」という記述があったら、経営状態はかなり深刻だ。この疑義注記とは、「長期にわたって事業を継続していくことが難しくなる可能性がある」ことを、会社自ら決算短信や有価証券報告書で注意喚起したものだ。経営状態が改善すれば疑義注記は外れるが、疑義注記企業の破綻も少なくない。2015年9月に民事再生法の適用を東京地裁に申請した、海運業界で国内売上高5位の第一中央汽船。同社は4期続けて最終赤39