ブックタイトル四季報らくらく活用
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四季報らくらく活用
株価には実力以上の差が生じる。二つ目は14年11月、議決権助言の大手、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が助言方針の一つにROEを掲げ、過去5年平均のROEが5%未満かつ改善傾向にない企業については、経営トップの選任(再任)議案の反対を推奨することを盛り込んだこと。これに先立つ14年2月、金融庁は機関投資家向けの行動原則である「責任ある機関投資家」の諸原則、いわゆる「日本版スチュワードシップ・コード」を公表した。「モノ言わぬ株主」と呼ばれた日本の機関投資家は、議決権助言会社の助言を受けながら、責任ある議決行使を真剣に考え始めた。これを受けて株主総会で反対票が大幅に増加した会社も出ている。そして三つ目が東京証券取引所が本則市場(市場1部と2部)に上場する企業に対し、適用を開始した「コーポレート・ガバナンス・コード」。コーポレート・ガバナンス・コードとは、日本企業の国際競争力を高めるために安倍晋三政権の肝いりで策定された企業の行動指針。この指針を構成する五つの原則の一つに、「収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために何を実行するのか株主にわかりやすい言葉や論理で説明しなさい」とある。この尺度こそROEにほかならない。もし上場企業が、コーポレート・ガバナンス・コードを守らないのであれば、そ54