ブックタイトル四季報らくらく活用

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概要

四季報らくらく活用

ると、利益は急激に伸びる。ある四季報記者は「記事欄に“フル稼働”とか“フル操業”といった記載があるとすごそうに見えるが、設備投資をしていない銘柄には投資しないほうがいい」と話す。「そこが業績のピークになる可能性が高い」(同記者)からだ。設備投資が数年後の業績を左右する前出の図を見ていただきたい。これは建設用クレーン大手のタダノ(6395)・加藤製作所(6390)の『四季報』2014年夏号の誌面だ。両社とも記事の見出しは【最高益】、材料欄には【フル稼働】とある。さて、この後の両社の業績はどうなったのか、設備投資と減価償却の関係の違いに着目して考えていただきたい。その後発売された『四季報』2016年春号を見るとどうなったのか一目瞭然だ。2016年3月期を見ると、タダノの最高純利益更新予想に対して、加藤製作所は減益予想となっている。ただ、『四季報』2016年春号では、加藤製作所も設備投資が減価償却費よりも大きく、設備増強に踏み切っていることがわかる。タダノの業績記事は【頭打ち】という見出しがつけられており、利益の伸びは償却負担増もあり抑えられそうだ。売上高が今後伸びていくのかをしっかりチェックしていきたい。順調に売上高が伸びれば、数年後には利益も急伸し、それを好感して株価も上がる可能性が高くなる。留意したい点としては、これは製造業をチェックするには有効なポイントだが、サービス業やネット企業には不向きだということ。設備投資自体があまりないからだ。3設備投資で銘柄を選ぶ際のつのツボ?設備投資は製造業にとって次の成長のために不可欠な投資?「設備投資額>減価償却費」銘柄を狙え?足元の業績が悪い企業でも中期での業績回復を先取りし、投資妙味があることも65