ゼロイチ女子xSHOE DOG

ゼロイチ女子会#1 #3

新しい
世界を見せるための装置

ヒグチ
『シュードッグ』と「ゼロイチ女子」に、何か共通点はある? ゼロイチ女子でも、みんなで半年くらいかけて構想を練って、この夏休みに全国から学生を集めて、キャリア教育というか、参加者の人生戦略のお手伝いをするという構想でやってきたけれど。
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ナリタ
どちらも、知らない世界を見せる装置だということかな。ゼロイチ女子のいろいろなプロジェクトはもちろん、ヒグチさんとか、オカさん、ハヤシさんみたいな人がこうして関わっているという姿を見せるだけで、「ああ、こういう働き方もあるんだ」ということがわかるし。
僕も、世界中から集めた大学生と一緒に地方の高校に行くということをしているんだけど、そうすると高校生たちは、この人たちはなんて面白いんだ、という反応をしてくれる。英語は話せなくても、グローバルってこういうことなんだ、と感じてくれる。それを伝えることは大事だと思う。
『シュードッグ』もそう。読めば新しい世界が開かれる。だから多くの高校生に読んでもらいたい。なじみのうすいほかの偉人たちの伝記と違って、たぶん高校生たちも入りやすい。何しろ自分たちのバッグや靴についているマークの本だから。
ツツミ
ゼロイチ女子でも『シュードッグ』でも、メンターが重要、というメッセージがあるかなと。フィルさんにとっては、陸上コーチのバウワーマンがメンターだと思うし、ゼロイチ女子で、自分と違う年代の人とあれだけ密に関わったというのは、選択肢を得たとか、そういうレベルを超えて刺激をもらいました。「こういう人になりたい」とか、「この人に認めてもらいたい」という存在が近未来の自分の近くにいるのはすごく大きいこと。
ヒグチ
ヒグチ
私は、両者に共通するのは、信念だと思う。ゼロイチ女子には、女性活躍、もっと言えば多様性、ダイバーシティの推進というミッションはあったけれど、私たち自身もゼロからのスタートだった。事務局の人を集めるためにひたすら説明会でミッションについて話していたら、すばらしい人たちが集まってきた。信じるものがあれば、それに続く2人目、3人目、4人目が出てくる。そういう自分たちのゼロイチが、学生にメッセージとして伝わっていた、ということがあるかもしれない。信念は、いろんな人の第一歩を後押しする。
オカ
そう。ゼロイチも、女性活躍の推進というミッションはあったけれど、具体的なコンテンツはなかった。じゃあどうするか、というときに、「私たちが本当にしたいことは何か」という議論になって、みんなで合宿に行って、それぞれが自分の人生を語り始めた。
それを聞いて、「自分はこういう問題意識があって、こういう世界をつくりたい」というのを誰もが持っているのがわかった。それが共通点。誰であれ、こんなふうに信念を持つことができたら、行動に移せるんじゃないか。そんな信念を持てるよう、手助けをしたいというのがプロジェクトの土台にあったのかな、と私は理解してる。
ヒグチ
そうだね。
ゼロイチメンバー
ハヤシ
いまオカが言ったみたいに、合宿して議論して思いをぶつけあって、とまとめてしまうと、1-2行の記述で終わってしまう。でも、本当は、その短い1-2行の間に、ものすごい感情、葛藤、思考のやりとりがある。『シュードッグ』もそうで、フィルさんが何をしたか、淡々とアクションが続いているだけ。だけどそれがこの本のメッセージだと思う。つまり、「行動しろ=Just Do It」と。
行動する、動き続けることは大前提。そうやって動き続けるなかで、「なんで自分はこんなことをしているんだろう」という葛藤が生まれるかもしれない。でも、それを理由に歩みを止めてはいけない。走り続けなくてはいけないんだと。『シュードッグ』はそれを感じられる本であり、「ゼロイチ女子」のメッセージもそこにあるのかな、と思う。
ヒグチ
みんなが信念を持って、それぞれが最初の「一人目」になる。だれもが「一人目になる」という経験を持つこと、そしてその経験を共有することが広がったら、社会は良くなるんじゃないかと思って、私は「ゼロイチ女子」をやってます。起業は、一人目になるためのオプションの一つ。最初の一人目になるという経験について、またそれを共有して人を巻き込んでいくプロセスという両面において、『シュードッグ』から得られたものは大きかったな、と思う。
ムーブメントを起こす人は、どういう社会を作りたいかという信念とか、他者との共感が必要になってくる。そのことを、私も大事にしていきたいと思う。

君は天職に出会っているか。負け犬たちの熱狂人生飛沫

SHOE DOG PHIL KNIGHT

SHOE DOG
 (シュードッグ)
―靴にすべてを。

東洋経済新報社
2017年10月27日発売予定
定価 1,944円(税込み)

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